「こっくりさん」ブームを鎮めさせられた中二男子(その3)
自分が中学二年生だったのは1973年だったと思うんですが、
昭和49年ですかね?
もう、そういうこと、段々どうでもよくなって来ますよね。
まあ、つらつら思い出してみますと、
生徒会の友達に「こっくりさん」に呼び出されたその日、
一緒にやった優等生のミズヌマ君に誘われて、
彼の家で今度は二人で「こっくりさん」をやることになりました。
自分は、二人でやるのはルール違反だと思ってたんですが、
ミズヌマ君がノリノリで。
レコードをかけてくれたんですが、
どちらかというと自分は「こっくりさん」なんかよりも、
ジャンバラヤの美しい歌声の方に感動してましたね。
それで結局、二人で「こっくりさん」をやっても、
あまりうまく行かなかったので、解散することになり、
ミズヌマ君が途中まで送って来てくれました。
自分は、二人で「こっくりさん」をやるなんて
よくないな~と思ってたんですが、
ミズヌマ君は意外に平気な感じで、
ちょっと小ばかにしてる感じだったんですが、
突然歩みが止まって変な顔をしたんですね。
そしたら、木切れに刺さった釘を踏み抜いてました。
「罰が当たった~」
と、かなり後悔したような顔をしながら、
そこから真っ逆さまに家に帰ったんですよ。
本当に罰が当たったのか、
ただの不注意だったのかはわからないですが、
たぶん「こっくりさん」に浮かれてたので、
それで足元に不注意だっただけだと思うんですがね。
まあ、狐につままれるというのは、
だいたいこんな感じだと思います。
その後、学校では「こっくりさん」と一緒に
「エンゼルさん」とかいうのも流行りだし、
休み時間に女子が二人、シャーペンを握って
廊下を端から端まで速足で歩いて喜んでいる。
まあ、一種の集団催眠みたいなものですよね。
自分は、苦笑してました。
するとまた休み時間に他の教室に呼び出されて、
誰それを殺すとこっくりさんが言い出したので
なんとかしてくれという話だったんですよ。
自分は、一瞬困ったんですが、
しょうがないので、みんなの気をそらすために、
教室の白い壁を睨みつけ、
「お、今、そこにコックリさんが逃げ込んだ」
とか言いながら壁を何度か蹴飛ばして、
「よし、これで大丈夫だ。もう心配ない。」
と言ってやったら、皆は何一つ疑わず、
「垣内、お前すごいなー」
とりあえず、騒ぎは治まったんですが、
元々、そんな、コックリさんなんかいやしないんですよ。
ブルース・リーが好きでキックの練習をしてたのが
思わぬところで役立ちました…^^;
それから何日かした時に、
授業中に一人でこっくりさんって出来るのかな?と
膝に文字盤を置いて試してたら、
他の生徒に見つけられて、
「先生、今、垣内君がこっくりさんをやってます。
みんなで質問してみましょう。」
みたいなことを言い出したので、
引っ込みがつかなくなったので、
全身に力を入れて痙攣してるフリをしたら、
先生も驚いてしまって、
保健室に連れてかれそうになったので、
こりゃまずいと思って、
「大丈夫です。もう治まりました。」
と、迫真の演技で言ったら、先生も、
「ほんとに大丈夫なのね?」
と言って一応その場は収まったんですが、
その後、学校全体に「こっくりさん禁止令」が出て、
ようやく、この屁みたいな
「こっくりさんブーム」が鎮まりました。
自分は「こっくりさん」そのものは本物だと思ってますが、
そう易々と本物の現象が起こるものではないと思ってます。
みんなだいたい嘘か、自己暗示による偽物です。
繰り返しますけど、本物の「こっくりさん」はあります。
でも九分九厘は偽物です。
軽はずみに「こっくりさん」をやるのは控えましょうね。
では、また今度^^♪